おかあさんの階段

中学生の息子をもつアラ還主婦の日々の思いを綴ります。

「待つ」ということ

 原因不明の頭痛と倦怠感、コロナワクチン接種後の副反応とこのところ調子が悪かった息子ですが、昨日は無事にサッカースクールに行くことができました。


 サッカースクールには幼稚園年中から行ってますが、紆余曲折あって今に至っています。今でこそ、向かってくる相手とガチガチ球を取り合って活発に動き回っていますが、2年前までボーッと突っ立っているだけ。試合にも参加せずただただみんなの動きを眺めている日々が3年余り続きました。


 年中の時は、ボールを蹴って遊んでいるだけでOKって感じでしたが、年長からは試合もやるようになりました。でも、突っ立っているのはわが子だけで、このまま続けていて何か意味があるのだろうかと悶々とする日々が続きました。




 で、待ちきれなくなった私は
「やめてもいいんだよ~」
「絶対やめたくない。やる。」
息子の心は固いようで、迷いながらも月謝を払い続けました。


 小学校に上がっても、ボールを蹴り合う姿は見られず、ただウォーミングアップで行う手つなぎ鬼ごっこだけは楽しそうにやっていました。
 2年生になった時は、さすがのお父さんも業を煮やして
「もう、やめろ~」って怒鳴って、息子を泣かせてしまうこともありました。


 私も、どうしても他のお子さんと比べてしまって、突っ立っている息子をけしかけたり、やきもきしながら見ていました。
 コーチに相談すると、
「子どもたちにはそれぞれ成長のペースがあります。あたたかく待ってあげてください」


 駐車場の車の中から双眼鏡で、何をしているのかじっと見張ったこともあります(笑)その時は、息子から「もう来ないで!」と怒られました。


 そんなこんなでもう疲れ果てて、スクールの最中は見学せずに送り迎えだけするようになったある日、
「息子さん、他のお子さんとガチガチやってますよ。初めて見た時、私も感動で胸がいっぱいになりました」とコーチ。



 「ええっ、ウチの子が…」


 それ以来です。私やお父さんが見学しようがしまいが攻めたり、攻められたり、ボールをゴールに蹴りこんだり、もう生まれ変わったような息子がいました。


 よく「子育てには待ちの姿勢が大事」と言いますが、3年間待った甲斐がありました。払い続けた月謝も無駄ではなかったと思います。
 途中、なぜ辞めるといわなかったのかよくわかりませんが、息子なりに何か納得したかったのかもしれません。
 今では無理やり辞めさせなくてよかったと思います。


 最近は、ピアノの練習が停滞気味ですが、考えてみれば大人でもそういう時ってありますよね。気が乗らないというか、そんな気分の時が…。サッカースクールのコーチもピアノの先生も、「嫌な時ってあるよね~」みたいな感じで、子どもたちの心に寄り添ってくれます。私は短気ですぐ白黒つけたがるけど、この二人の偉大な指導者のおかげで息子はのびのびと成長させてもらっていると思います。


 習い事って、指導者の方の考え方がものすごく重要だなと思います。そうじゃなければ、3年も待てなかった。息子の習い事を通して、私も子育てや人生について「待つ」ということの大切さを学ぶことができました。石の上にも三年と言いますが、本当に貴重な3年間でした。