がん治療の合間に―大気浴療法
私は、祖父の代から西式健康法という健康法を実践する家に生まれ育った。西式とは、西勝三氏が提唱した民間の健康法。食事は朝食抜きの2食、夕飯の前には生野菜ジュース、お風呂は温冷浴、寝床は板の上に薄い布団という奇妙な習慣のもと育てられた。
これらを実践していれば、(祖父たちによればだが、)がんにはならないはずであった。
しかし、私は卵巣がんになってしまった。結婚後、実家を離れてから西式を実践するのは難しかった。甘いお菓子の誘惑に勝てなかったし、温冷浴も寒い冬はやらなかったり…。いつのまにか西式とは縁遠い生活になってしまっていた。
がんになって改めて西式健康法を調べてみたところ、がんの原因が体内にできる一酸化炭素の増加とそれに伴う酸素の欠乏が第一に挙げられており、皮膚呼吸を活発化することで、がんを防ぐことができると説明されている。
それを読んで、祖父が身体が疲れた時など、疲労回復のために大気浴療法というのを行っていたことを思い出し、本棚の片隅に眠っていた「大気浴療法ローブリーCD」を探し出し実践することにした。

がんの原因が一酸化炭素の増加によるものだなんて信じがたいが、布団の上で衣服を脱いだり着たりして皮膚呼吸を活発にすることで、体内の毒素を排出することは、抗がん剤の害毒を体外に出すことにもつながるんじゃないか。そうすれば、足のしびれをはじめとした身体の痛みを和らげることもできるのではないかと考えたのである。
この大気浴療法とは、フランスのローブリー氏が提唱したもので、窓を開けて新鮮な空気を取り入れ、裸になって布団に寝ながら毛布などを掛けたり脱いだりして過ごすというもの。裸になっている時は、身体をこすったり、運動することが勧められている。私は、この裸の時間を使って西式の健康体操を行っている。

果たして効果はあるのか?
足のしびれが和らぐことは残念ながらないけれど、大気浴療法を行った後はなぜか心地よい眠気が襲ってきて、30分から1時間ほど非常によく眠れる。そして、目覚めた後はすっきりとした気持ちになる。
そのため、私は午前4時に起きて2~3度このローブリーCDをかけて、大気浴療法を行うことにしている。CDの説明によれば、できるだけ夜明け前や日没後に行うことを推奨している。
現代医学の最先端をひた走る担当医にこのことを話せば、たぶん笑われるだろう。しかし、やった日とやらなかった日とでは、身体の疲れ具合がちがうから、私の場合はなんらかの効果はあるのだと思う。
がんを予防したり、克服するまでには至らないまでも、すっきりとした気持ちで日々を暮らすために欠かせない習慣として続けたいと思っている。
このローブリーCDだが、なんとネット販売されているからびっくりだ! 1回30分かかるこの療法。忙しい現代人が実践するのは難しそうだが、今でも西式健康法を行っている方は少なからずいるようだ。