「すずめの戸締まり」ネタバレなし
ピアノの発表会の曲決めに困っている息子。いつも頼りにしているのが、新海誠作品のサウンドトラック。だいたいがRADWIMPSの曲です。
3年ぶりの新作「すずめの戸締まり」に何か良い曲がないかと、本日親子三人で観に行って来ました。
手に持っているのはポプコーンの袋 グッズ付劇場限定で1600円もしました。
災害などで廃墟と化した場所にある扉。そこからは天変地異をもたらし、人々を不幸に陥れる不穏なエネルギーが出てくるという。その扉を閉めることを代々家業とする「閉じ師」の青年と震災で母親を亡くした女子高校生の旅の物語です。
途中、閉じ師の青年が椅子になってしまったり、へんな猫が出てきたり、女の子を追いかけて上京してくるおばさんとか閉じ師の友人とかいろいろ出てきて最終目的地までの旅は面白おかしく進みます。
目的地では、3.11を思わせるというか、まさにその震災シーンが出てきて、ちょっと胸をつかれ、涙がこぼれそうになりました。
ウチの子は、2011年生まれ。東日本大震災の年に生まれましたが、今まであまり多くのことを語ってきませんでした。今日この映画をきっかけに自分が国難ともいうべき大きな災害の年に生まれたことを知ったようです。
私たちが住んでいる地域は、2019年の19号台風災害で大きな被害を受けました。息子は3.11よりもむしろその災害の方が脳裏に焼き付いていたようで、震災シーンを見たときその時のことを思い出して「グロくて、吐きそうになった」と言っていました。
一方お父さんは、SF小説で有名なロバート・A・ハインラインの『夏への扉』をちょっと思い出したそうです。「すずめの戸締まり」でも猫が扉に導く重要な役を果たしているところが似ているとか。
「さすがは新海監督だなあ~ いろんな小説を下敷きにしているんだな」
閉じ師の青年の宗像という姓、アメノウズメノミコトを思わせる少女の名前とか、新海監督らしい民俗学や古代史などに根差したストーリー性に着目してみても、いろいろ発見があるかもしれません。
それから、「君の名は。」や「天気の子」「言の葉の庭」などに出てきた登場人物がどこかに出て来るのではないかと、そんなことも気にしながら見るのも楽しいです。
ただ、音楽のほうは息子の期待どおりにはいかなかったようです。旅の途中で主人公たちが高速道路を走りながら聞くのは昭和のポップス。ユーミンや竹内まりや、松田聖子など、お父さんとお母さん世代にはたまらなく魅力的でしたが…。平成生まれの息子には古臭く感じられたようです(笑)
そうはいっても帰宅後、さっそく野田洋次郎さんの「カナタハルカ」をピアノでポツポツ弾いていましたから、来年の発表会はこの曲になるのでしょうか? 楽しみです。